サンティアゴからバスで北へ470キロ、コロニアル都市ラ・セレナに向かいました。「セレナ」とはスペイン語で「静かで落ち着いた」という意味。ガイドブックによると、「1年を通じて気候が温暖で、平均気温は7〜22度前後、空気は澄んでいる。夏には海水浴客で賑わい、カキ・ムール貝・ウニ・カニなど海の幸が売り物のレストランも多い」街だそうです。行ってみたくなるでしょ?
でも、ラ・セレナに行く前に、ちょっとバスの話。
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南米諸国は、ブラジル・アルゼンチン・チリも含め鉄道網があまり発達しておらず、地上での長距離移動は圧倒的にバスが主流です(道路網はよく整備されている)。特にチリの長距離バスは、快適さと料金の安さで有名だそうです。飛行機のファーストクラスみたいに座席がほぼ水平にリクライニングする「サロン・カマ」、それよりちょっと落ちるけど充分ゆったり快適な「セミ・カマ」、日本のリムジンバスくらいの乗り心地の「エヘクティーボ」、日本の観光バスくらいの「クラシコ」、などのクラスがあり、セミ・カマ以上には枕や毛布や食事もつきます。
せっかくチリでバスに乗るので、ちょっと贅沢して、サンティアゴ〜ラ・セレナ間はファーストクラスの「サロン・カマ」をチョイス。6時間で料金は13,300ペソ。3,000〜4,000円ほどでしょうか。
新しくて立派な2階建てバス。座席は左側に2列、右側に1列。たっぷりゆったりとしたシート。足もと広々。足置きをパタンと倒してシートをぐいっとリクライニングすると、ほんと、全然ラクチンです。「水曜どうでしょう」の大泉さんにぜひ教えてあげたいくらい。もっとも、移動20時間を超える路線もザラなチリのバス事情。このくらいゆったりしてないと一般的・日常的な移動手段としてはいささか辛いのかもしれません。また、バスが快適な代わりなのか、途中で停車して食事やトイレのために休憩、ということも南米全般ではほとんどありません。このあたり、同じバス大国でもトルコやイランとはだいぶ事情が異なります。
さて、僕の乗ったゆったりサロン・カマは、定刻の10時を5分ほど遅れてサンティアゴを出発。冬なのに緑の灌木の茂った山間の道を快調にとばしていきます。乾燥した大地から、ムーミンに出てくるニョロニョロみたいな形をしたサボテンが時おり顔をのぞかせます。これぞラテン・アメリカ!
しばらくすると、パンの車内販売。赤ん坊を入れるカゴみたいな大きなバスケットにパンを満載にして、白い服を着た初老の男性が客席を歩いて回ります。このおじいさん、いろんなバスに乗り込んではパンを売って歩く、いわば流しのパン売りみたいな人で、ひとしきり車内をうろついた後、だまって我々のバスを降りていきました。いったい1日に何台のバスに乗り降りするんだろう?
またしばらくすると、今度はホットドリンクのサービス。添乗員のお兄さんが茶道具をもって客席を回ります。このドリンクサービスがちょっと変わってて、「カフェ」というと、とりあえず空の紙コップを渡されます。そして、インスタントコーヒーの粉の入った器を指差されます。どうやらコーヒーの粉をセルフで好きな量だけ入れるらしい。で、粉を入れるとお兄さんがポットからお湯を注いでくれます。要領がわからず言葉も通じず、コーヒーを飲むだけでずいぶん苦労しました(後でわかったのですが、このコーヒーの粉のセルフサービス、チリのカフェでは一般的にそうするものらしい)。で、飲み終わった頃またお兄さんがやってきて、空のコップを回収してくれます。この時に、チップを要求されました。乗り物のドリンクサービスでチップをくれと言われたのは、いろんな国でチリがはじめて。なんだかいろんなローカルルールがあって、頭がこんがらがりそうです。
昼過ぎには食事が配られます(このときはチップ不要)。肉入りパスタとパンとチョコムース。メニューといい量といい味気なさといい、ちょうど飛行機の機内食のような感じ。そして食後には、ホットドリンクのサービス(要チップ)。
そんなこんなで食事も終え、うとうととしていると、ふいに我々のサロン・カマ号、砂利道に乗り上げたようで、小さく小刻みにガタガタと揺れだしました。しかし、窓の外を見てもとくに道路が悪くなった様子はありません。すぐにバスは速度を緩め、路肩に停車しました。乗客もざわざわ。まさかと思い外に出ると、案の定、ものの見事に右前輪がバースト!していました。タイヤの残骸のゴムがびろんびろんになって、もうひどい有様。バス本体が立派なだけに、バーストした前輪が本当に救いようがなく惨めに見えます。物事には「つり合い」というものがあるんだなあと思いました。これがパキスタンのおんぼろギンギラバスだったら、ふーんさもありなん、とすんなり納得することが出来るでしょうに。。。

バスのタイヤ交換というのは、初めて見ましたけど、結構大変な作業です。作業内容は乗用車と大差なく、ホイールのネジをちょっと緩め、車体の下にジャッキを差し込んで、車体を持ち上げて、だめになったタイヤをはずし、スペアタイヤをはめて、車体をおろして、ネジをぎゅっと締めなおして、はい完了、となります。だけど今回のケースは、タイヤが完全にバーストしちゃってるんで、車体が傾いててうまくジャッキが入らずにまず一苦労。その後ジャッキで車体を持ち上げるわけですが、あんな小さなジャッキが巨大な2階建てバスをジワリジワリと持ち上げていく様は、まるでゴリアテに1人立ち向かうダビデのようで(ま、ちと大げさですけど)、なかなか感動的な光景でした。バスの運転手2名、添乗員、それに乗客の1人(多分この人は自動車整備士か何かだと思う)が地べたに這いつくばって作業して、1時間ほどで無事タイヤ交換完了。その間、男たちは野次馬のように作業を眺めたり、それに飽きるとタバコをふかしたり。女たちは作業には全く興味がないようで、向こうの方で談笑したり、電話をかけたり、タバコをふかしたり。


その後はまた快調にバスは走り、無事17時前にラ・セレナに到着。僕はここで下車。バスはこのままチリ北方の街イキケまで行きます。サンティアゴからイキケまでは24時間かかるそうです。道中、無事でありますように。
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ラ・セレナ、「静かで落ち着いた」という名前から想像していたよりもずっと大きな街でした。
中心街は1時間も歩けば見て回れるくらいの広さですが、その周囲に見渡す限り住宅街が広がっています。温暖で過ごしやすい気候に吸い寄せられるように人々が集い、結果だんだん宅地が広がっていったんじゃないかなと思います。白い壁に赤茶色の瓦屋根を持つこざっぱりとした新しい感じの住宅が多いです。街全体に背の高い建物はほとんどなく、フラットで威圧感のない街並み。さっぱりとしてとても清潔な印象です。

アルマス広場を中心とする繁華街には、僕が夕方到着したせいかもしれませんが、制服姿の学生さんがたくさん目につきました。学校帰りにちょっと街で遊んでいこうって感じでしょうか。そういうのは日本もチリも変わりませんね。でも、若い人がたくさんいると、街が生き生きとした感じに見えるから不思議です。

街から西へ、ヤシの木の並木道を30分くらい歩くとセレナの海岸に出ます。向こうの端が見えないくらい長いビーチで、海岸沿いの通りには海水浴客向けのホテルやカフェが建ち並んでいます。しかし、冬のビーチって寂しいもので、砂浜には人影はなく、カモメが群れているだけ。通りの店もほとんどシャッターを降ろしています。またこの日は天候が悪く、海も砂浜も寒々しい灰色でした。今度はぜひ夏に来たい。
「水曜どうでしょう」ってどこかで聞いたことがある。ローカル番組だっけ?
前輪バーストしても 結構平気なのかな?
大変な事故にならず 何よりですな。
> 「水曜どうでしょう」ってどこかで聞いたことがある。ローカル番組だっけ?
local bangumi dakedo, imaya zenkoku-ku daze! DVD hikken nari.
> 前輪バーストしても 結構平気なのかな?
kekkou heiki datta. demo, chanto naoru nokaga, kochira to shiteha sugoku shinpai datta... nanigotomo naku, yokatta.